時事

世界一豊かな国の大使が語った5つの政策

ルクセンブルグ駐英大使のBern氏に、彼の国の成功要因についてお話を伺ってきた。ルクセンブルグはGDP/capita(一人当り国内総生産)が日本の倍以上もある、世界で最も豊かな国である。日本と同様に、天然資源があるわけでもないこの国が何故このような成功を…

NPM時代の終焉

どうやらNPMの時代はその終わりを迎えつつあるようだ。NPMとはNew Public Managementの略称で、もともとは1980年代に財政赤字への対処を目的としてイギリスを中心に始まった行政改革「運動」であり、企業経営の方法論を行政経営に援用した内容のものが多い。…

Emerging Art Market

世界中でここ数年、美術品市場が急成長中なのだそうです。先日大変興味深い話を聞いたので、この分野は全く素人ながら、私のテーマでもあるSoft Powerにも関連するところもあり、備忘録も兼ねて軽く纏めておこうと思います。 新興国の高度成長期には億万長者…

LSE Public Lec: 拡張する自己

昨日はヨーロッパの市民セクターに関する調査でロンドンに出張中の古い友人と、彼の研究パートナーの方がLSEまで訪ねてきてくれました。"友人"というのもおこがましくて、昔からお世話になりっぱなしの方なのですが、なにより久しぶりにお会いできたのが嬉し…

なんで"政治"は、こんなにもどかしいのか

なんで、こんなに民意とかけ離れた政治が横行しているんだろう? 問題を解決できないのは、能力とやる気が不足しているからではないか? 特定の団体の利益ばかり重視して、歪んだ補助金や規制が導入されている。 「政治」によって社会の望まない選択や不平等…

LSE Public Lecture

LSEでは、毎晩のようにPublic Lectureといって、世界中の著名な政治家や有識者が集まって講演をしたりディベートをしたりする場が用意されています。中にはクラシック音楽家がコンサートを開くプログラムなんかもあったりして、無料で参加できる身分としては…

恐怖の"Made In Japan"

New York Times:日本の原発事故はチェルノブイリと同レベルに "Japan Nuclear Disaster Put on Par With Chernobyl" 海外の友人曰く、ヨーロッパでは原発事故前に製造された日本製デジカメに注文が殺到しているとのこと。逆に、事故後の製造ロットは放射能で…

下:都市経営のPublic Involvement

東京復活のためには、これ以上新たなインフラを整備する必要なんて無い。既に存在する価値を新たな物語の中で再定義し、正しくオープンにしていけば、それで良い。重要なのは中身とやる気。つまり都市としての実力だ。しかしながら、とても残念なことに、今…

中:東京の新しい物語とは

先日、「世界第2位の経済大国の中心都市」が、その前提から崩れ落ちてしまいました。経済の規模という点で、今後中国と伍していく可能性、つまり過去のフィクション復活はあり得ないように思います。また、そんなことに心血を注ぐ意味もないでしょう。要する…

上:「首都圏」というフィクションの崩壊

地方自治体の広報課や広報官の方々とお話しすると、どの自治体でも、口を揃えたように同じことを言います。つまり、「XXXを、首都圏に訴求したい」と。XXXとは、観光地や物産品、企業誘致プログラムなど様々ですが、この「首都圏」という言葉が出てくる度に…

東京が進むべき道とは

これは国連統計局の調査(2007年)です。「都市的集積地域」ということで、実際の行政区分上での人口ではありませんが、いかに東京が群を抜いた都市であるかが分かります。域内GDP(2006年)でも、東京都は92.3兆円と、オーストラリアやオランダ、スイスを上…

トヨタとグーグルの明暗

と題した記事が、2/15の日経に出ていました。その書き出しは、こうです。"グーグルと中国。トヨタ自動車と米国。世界で今、最強の「企業と国家」が対立関係にあるのは偶然か。"その上で、グーグルが「言論の自由」という槍で中国政府を突きつつ国際世論を味…

クジラを守るには?

クジラが友達か食糧かなんていう議論は、不毛な対立しか生みません。ただ、この真っ向から対立する両者には、合意できる点が少なくとも一つあるはず。それは、クジラが友達だろうと食料だろうと「地球上から、いなくなっては困る」というポイントです。両者…

クジラは友達か?食糧か?

毎日朝夕のニュースで、シーシェパードが日本の調査捕鯨船を攻撃している様子を見ていると、すごく面白くない気分になりますよね。こんな時、手っ取り早く世論の概略を把握する為には、mixiの日記検索と、twitterのつぶやき検索が便利です。ざっと見てみると…

Want a fight? I'm ready.

オバマ大統領は、怒ってみることにした。と書くと、実際には心から怒っていないのではと思われてしまいそうだが、本当に怒っているわけではないのである。というのも、マサチューセッツで先週行われた選挙で、共和党のスコット・ブラウンが勝利し、民主党は…

"地球温暖化"論否定に向けた聖戦

「地球温暖化と気候変動との関係は、未だ科学的に立証されていない」 アメリカでは政府やNASA、大学、企業、世論も含め、そういう主張をしています・・。と、我々は認識しています。本当に??これは怪しいなぁと以前から思っていましたが、なんと「中の人」…

誰が担う政権かより、何をする政権か

民主党のマニフェストが出ました。早速読んでみました。率直に、すごくストレッチしているなという感じ。過去6年間の民主党マニフェストの中で、おそらく最も良い出来です。明確なビジョンが描かれ、価値観の筋が通り、"やりたいこと"が示されている。最大…

札束とピストル

ソマリア沖の海賊対策に、すごい数の国の海軍が出動しているという話。以下のブログは、問題解決のために札束とピストル、どっちの選択肢をとるべきかという議論。(元)漁民と闘う世界連合艦隊自衛隊を派遣するより、現地の海賊化した漁民に経済援助して海…

平和な時代の死生観

「おくりびと」も「つみきのいえ」も、どちらも素敵な映画ですね。どちらも、永い平和な時間の安穏を前提に、そこで生きる人々の生と死を静かに描いています。そういう意味で、非常に幸せな映画だったと記憶しています。(見終わった後も、どこか幸せな気持…

ベリングポイントがChapter11申請

私の古巣が飛んでしまいました。昨年末に日本法人売却を目指し積極的に動いていましたが、結局どことも話がつかなかったようですね・・。現在の株価は7セント。金融危機より随分と前から1ドルを切ってSEC入りしていましたから、破たんまでは既に秒読み状態…

上海協力機構に日本が参加表明

ベリングポイントどころの話ではありません。 友人から先ほど電話で教えてもらったのですが、麻生さんがサハリンで開かれた日露首脳会談で、なんと「上海協力機構に出席する」と約束して帰ってきたとのことです。 日露首脳会談:「ビザなし」再開へ尽力 露大…

ダボス会議

世界経済フォーラム(通称ダボス会議)が始まりました。今年は"Shaping the Post-Crisis World"と題し、金融危機後の世界のあり方に関する議論を行っています。上のグラフは、ダボス会議で毎年発表されるレポート"Global Risk 2009"にあるものですが、仕事等…

2009年の行き方

世界は困難な危機に直面しているらしい。たしかに私の目の前にあるビジネスも非常に厳しい。モノもカネも動かないし、明るい未来を見せてくれる具体的な「何か」は殆ど見当たらない。しかし、ヒトは動いている。それも、ここ数年なかったほどに。 日本時間の…

現金に課税を!

慶応大の深尾先生が所謂「景気」対策の処方箋として、興味深い論を展開しています。 今の日本は現金(M2+CD)バブルであるとの分析は、たしかに本質をついているようにも思います。「デフレの解消を至上課題として、直接それを解決する方策」6-7年前に深尾…

発言者の実力

世界中のブログの実に1/3が日本語で執筆されています。自動生成のスパム・ブログの割合が言語圏毎にほぼ一定とすれば、「人口当たりの社会的情報発信者の割合で日本人は最多」ということを示す一つのFactと言って良いかもしれません。私がブログというものを…

政治家オバマの手腕

"This election is for the past versus the future." オバマ大統領の勝利演説は圧巻の一言。そのメッセージ性と戦略性。非常によく練られた演説であることは間違いありません。今回の演説における彼の目的は明確に絞られており、それが大きく聴衆の心を動か…

ヘリコプターマネー

というのは財政政策の用語で、文字通りヘリコプターの上からお金をばらまく政策のことを言います。実需喚起による消費増加を狙ったもので、今回の追加経済対策にある生活支援定額給付金は、概ねこの方法論に則ったものです。経済の先行きへの不透明感が蔓延…

オバマ後の世界とは

IMFの調査によると、先進16カ国の国民総資産総額における海外保有分は過去10年で4倍となり、その平均総額はGDPの4倍にも及ぶ。カップリングどころではない。巨大なマネーが動き、実体経済とはかけ離れたところで金融市場が乱高下する。その煽りを受けて実体…

選挙とか

マルチ業界からの献金とか、相変わらずの失言問題とか、社保庁の不正とか諸々。 本当に下らないことが多すぎると思う。もはやどうでもいいやと思ってしまう。しかし一方で、更に積み上げられる借金は、我々の将来への影を一層色濃くしている。そのダメージは…

連鎖破綻

ドミノが始まったようです。とりあえずはMSも飛んだらしいですね。まだ何も流れていませんが。今日、某米国系メーカー(超優良企業)に行ったら、こういう事態は去年から見越していたとのこと。1年かけてキャッシュを潤沢に積んだので、これからファンドを回…