誰が担う政権かより、何をする政権か

民主党マニフェストが出ました。早速読んでみました。

率直に、すごくストレッチしているなという感じ。過去6年間の民主党マニフェストの中で、おそらく最も良い出来です。明確なビジョンが描かれ、価値観の筋が通り、"やりたいこと"が示されている。最大多数の最大幸福のために、もしくは最少不幸のために、超巨大な政府も辞さないという意気込みが表わされています。

惜しむらくは、政策リストとしては粒が粗すぎて具体性に欠けること。財源と期限が明確でないこと。それから面白さや魅力、構想力に乏しいことでしょうか。どれもマニフェストとしては大きな欠点です。

民主党マニフェスト(PDF)


ざっと読んだ感じでは、民主党マニフェストには3つの筋が通されているようです。


1.優先順位の考え方: "個人 > 企業・団体"
  -企業団体献金の廃止
  -中小企業の法人税率引き下げ
2.執行体制の考え方: "政治主導 > 官庁主導"
  -特別会計の見直し、公益法人の廃止
  -与党議員100人以上が霞が関入り
3.価値創造の考え方: "Soft(人材) > Hard(インフラ)"
  -子ども手当、高校無償化、大学奨学金拡充
  -最低賃金引き上げ、職業訓練制度


内容は実際に見ていただくとして、一つ言えることは、民主党は日本政治のあり方に対し一つの考え方を示しているということ。つまり、その考え方を選ぶ有権者にも大きな責任が伴うということだ。

政権交代もいいけど、「自民党がダメだから民主党に代えてみるか」という安易な発想は無責任な気がする。民主党を選んだ以上は、その政策の実現に向けた応援や議論への参加をすべき。個人献金など、有権者が政治に参加するための方法も増えている。それが民主党に投票する人の責任だろうと思う。