恐怖の"Made In Japan"

New York Times:日本の原発事故はチェルノブイリと同レベルに
"Japan Nuclear Disaster Put on Par With Chernobyl"


海外の友人曰く、ヨーロッパでは原発事故前に製造された日本製デジカメに注文が殺到しているとのこと。逆に、事故後の製造ロットは放射能で汚染されているから買えないということです。

思い返せば、私自身もイタリアに留学する際、「チェルノブイリ原発事故で飛散した放射性物質が、ジェット気流に乗ってイタリアにも到達しており、例えば小麦畑も汚染されている」という報道があり、非常に怖い印象をもった記憶があります。

ウクライナから遠く離れたイタリアでさえ、そういう懸念をもってしまう。「放射能」という言葉には、それくらいの威力があるのです。誤解を恐れずに言えば、毒入り懸念のある中国製餃子よりも大きく深い恐怖。これが今、"Made In Japan"を襲っていると言ってもいいでしょう。


放射能汚染された日本製品・食材は触ることさえ危険だ
・日本人労働者・観光客が自国内に物を持ち込むのは嫌だ
・日本人と結婚すると健康な子どもを望めない可能性が高い
・日本観光・留学は当分の間(何十年単位)健康被害が伴う
・日本に法人・オフィスを設置しても社員を出向させられない


海外の人々は日本全体に対して、福島第一原発の周辺地域に日本人が抱いているよりも、更に大きな恐怖を抱いてしまっている。チェルノブイリとフクシマは、実態はどうあれ、印象レベルでは同じくらいの恐怖対象であるし、この狭い島国では一地域を封鎖して片付けるようなことはできないので、国家全体がそのレピュテーションを自らのものとして被らざるを得ない。

失墜した"Made In Japan"ブランド回復のためには、下手をすると数十年の歳月が必要かもしれません。たとえ、徹底的に輸出品を放射能チェックする体制を設けて数年単位で厳格な基準運用を続けたとしても、そのイメージは拭い去れないでしょう。既に"Made In Japan"は選好される対象から、忌避される対象へと変質してしまったのです。

日本は国家として危機管理に失敗してしまった。危機管理のできなかった企業、たとえば雪印ミートホープが今どうなっているかを見れば、この国全体の将来は容易に推測できるでしょう。