久々に注目のQUINTET

"The Five Corners Quintet"というヘルシンキを拠点に活動するジャズ・グループです。Nuspirit HelsinkiのサポートメンバーやJimi Tenor's Bandのメンバーなど、フィンランド・ジャズの巨匠などから構成される、まさにフィンランドを代表する編成。

60年代前半のオールド・ジャズやラテン・ジャズをベースに、北欧テクノ・ハウスの香りをまとわせた珠玉のナンバーがスゴイの一言です。ちょっと聴くだけだと古臭いビッグバンドのジャズ・コレクティブですが、編曲や、特にベースラインの中に21世紀のクラブ・サウンドの影響を見出します。

私の好きなQUARTETのモダン・ジャズより更に現代的なQUINTETで、音楽が今まさに止揚されている感じをビシビシ受けますね。当人たちもそれを念頭に置いているのか、更に40年代まで遡ったような音、つまりBE-BOP特有の緊張感を演出している曲も多いのです。

朝、通勤中に聴けるジャズってあんまり無いように思いますが、これは最適です。夜、勝負に行きたいのであれば夜聴いてもいいかもしれません。(私は常に帰って寝るだけなので、夜はもう少し柔らかくてファンタスティックなPat Methenyとかにしますが。)

ただ女性にはあまり理解されないかもしれません。ノリの軽めな男性にも理解されないんじゃないかな。存在と時間が不可分であること、そして苦い経験の甘さを味わった人でなければ。

大きく出てしまいましたが、以下2枚はお勧めです。


■ "CHASIN' THE JAZZ GONE BY"
どちらかというとクールな曲が多い。秋・冬の朝用かな。


■ "HOT CORNER"
ホットな曲が多い。春・夏の朝用かな。