「学生」になるということ

今日は朝10時から20時半まで、ほぼ図書館に篭もって勉強していました。トータル9時間強くらい勉強したかな。結構やることが多いので、タスク・リストとスケジュールを作って回しています。とはいえ、回すだけでなく、しっかり纏めて振り返る時間も作らないと・・。土曜日の午前中にやろうかなと思っています。

今週は土曜日に日本から友人が来るので、夜飲みに行って、日曜日はCotswoldsという湖水地方瀟洒な村落に遊びに行ってきます。観光らしい観光って、実はまだしていないから、とても楽しみ。親友に会えるのも、もちろんね。

この友人とは大学時代に出会って、NPO法人(PPIという非営利シンクタンクです)の立ち上げ初期から一緒にやってきた仲間なのですが、それから既に10年以上・・。もうそんなに経っているんですね・・。

これまで本当に色んな人に出会ってきましたが、PPIの仲間ほど優秀で個性的な友人たちは、結局日本では出会うことがなかったというくらい。もちろん、職場の仲間やクライアントの中にも、そういう志レベルで共鳴できる超優秀な方々が多くいらっしゃったのですが、PPIほど密度の高い場も無かったなぁと。これは某元県知事氏も、同じように仰っていました。

個人的にも、そもそも留学後に日本に帰りたいと思う理由・前提の大きな部分をPPIという場に対する期待感が占めているということは、本当にそうだと思います。期待感と書いたのは、PPIがいわゆる相互依存の要素が全くなく、純粋に創発共奏の前提で動いている稀有なネットワーク型シンクタンクであって、それがゆえに日本が直面する色々な社会問題解決に向けたブレークスルーになり得る可能性を常にもっているからです。

将棋でいえば、八方ふさがりの状況を打開する桂馬みたいなポジショニングなのかもしれません。飛車・角ほど強力じゃないし、金・銀ほど保守的じゃない。しかし守るところはしっかり守れて、これまでにない打開策の先兵になれる。そんなイメージです。

PPIが機能してきたのは、今週末に渡英する友人が粉骨砕身して要を守ってきたことが非常に大きいのですが、一方には、PPIに参加している個々人が共通して潜在的に抱えてきた問題の性質もあるんだろうと考えています。(PPIのメンバーには個人事業主、地方議員、コンサルタントシンクタンク研究員、霞ヶ関住人、記者、バンカーなど通常の業種よりも個人の裁量・責任で動いている人がとても多い)

こういう職種の人間って、あるレベルになると一匹狼的に仕事をせざるを得ないことも多いので、かなり孤独になって視野狭窄に陥りがちになるんですが、そういう時に根源的な思想・価値観レベルで共感できる「付き合いの長い友人たち」がいるかどうかって本当にクリティカルな分岐なんです。特に20代のうちなんかは。

更に、こういうことが身に染みて分かっていると、特に仕事上の人間関係には非常に気をつけるようになります。なかなか実感しにくいとは思いますが、一匹狼たちの暗黙的な処世術みたいなものがあって、それを実践的に理解していない駆け出しの一匹狼は本当に痛い目をみるわけです。

たとえば一匹狼はいわゆる大企業なんかの組織とは違って、いつでも逃亡(持ち逃げ・裏切り・背信)することができるので、特に一匹狼同士で公の関係(協業・パートナーシップ)を結ぶのって本当にリスクが大きいことなのです。中には逃亡でもって生き延びてきている百戦錬磨の一匹狼さんもいらっしゃるので、かなり気をつけていないといけません。

一匹狼的な仕事って、コンサルの他にも、たとえば企業経営者や弁護士・会計士、通訳、ボディーガード、探偵、開業医・専門医、俳優・タレント、アーティスト、記者・編集者とか、本当にたくさんあるのですが、そういう職種の人々と付き合う上で気をつけなければならないのは、その彼・彼女に10年以上継続している同業ネットワークがあるかどうかという点と、そのネットワークの質。だいたい、殆どこれで判断できると言って良いと思っています。

繰り返しますが、「その人に10年継続している公的なネットワークがあるかどうか」って、物事を進める意思決定をする上で、ものすごく重要です。そして、振り返ってみると、そういう種類のリスクからの避難所や緊急ピットとしても、PPIは機能していたなぁと思うわけです。

まぁ、私も20代のうちは結構痛い目にもあいましたしね・・。泣 今でも、まだまだ脇が甘いなと自戒することも多いのですが・・。しかしPPIのおかげもあり、一度信頼した仲間は本当に信頼できるという自信も持てるようになりました。

(なんだか自己啓発セミナーの告知文っぽくなってきましたね・・。苦笑)


とはいえ、今はそういうことを一切気にする必要もないので、世界中から来た同期たちとの付き合いを心から楽しんでいます。これも、この年で"学生"になるということの一つの価値なのかなと。そんなことを大学からの帰り道に考えていました。

一方で、学生ボケしないよう、そういうリスク感覚や基本的な護身術は自覚して覚えておかないといけませんね・・。